たった一人に対する集団でのいじめが一年以上も続いていた。
奈良県桜井市立中学2年の女子生徒が同級生らによるいじめでけがをした件について7月24日、保護者からは「男子生徒が自殺した大津市の問題同様、対応が遅れたのではないか」と指摘する声が上がり、事を重く見た県教委はこの日、桜井市教委に職員2人を派遣した。
学校の記者会見には校長、教頭、2年の学年主任が出席し、女子生徒が6月19日の下校時に同級生ら女子6人から暴力を受けた状況を説明した。読売新聞の取材では、昨年5月以降、校内で生徒を取り囲んで「友達の悪口を言ったやろ」「うそつき」などと暴言を浴びせたり、蹴ったりしたほか、背中をたたいたりもしていたという。
いじめを行っていた6人は生徒を取り囲み、1人が腰や足などを複数回蹴るなどして軽傷を負わせたほか、3人が生徒の鞄を蹴り、5人が傘で水をかけた。生徒は泥まみれになり、泣きながら帰宅したという。
生徒の保護者は複数回対応を求めたが、学校側にいじめという認識はなく、必要な指導は行わなかったという。
同校の保護者には衝撃が広がった。長女を通わせる母親(42)は「全国的にいじめが問題になるなか、娘が通う学校でも、こんないじめがあったなんて」と驚き、「1年もの間に気づくチャンスはあったはずなのに防げなかったのはなぜか、反省してほしい」と力を込めた。
同校の校長は学校としても被害者側に謝罪するとしており、「複数による1人への暴力や暴言は典型的ないじめで、指導の甘さを痛感している。被害生徒に怖い思いをさせ続けて申し訳なかった」と語った。